寝る前に、今日ありがたかったことを三つ書く。感謝日記はそれだけの日記です。白いページを前に「何を書こう」と手が止まる人でも、三つと決まっていれば案外すんなり書けます。
ただ、始めてみると二日目あたりでつまずくことがあります。ありがたいことなんて、そんなに毎日あるだろうか、と。ここでは、そのあたりで手が止まらないための考え方をまとめました。
「感謝」は大げさなものでなくていい
感謝というと、誰かに助けてもらったとか、贈り物をもらったとか、はっきりした出来事を思い浮かべがちです。でも感謝日記に書くのは、もっと小さなもので構いません。朝の温かいコーヒー。電車で座れたこと。雨が降る前に家に着けたこと。
どれも、書きとめなければ夜にはもう忘れているようなことです。そういう、素通りしてしまうものを拾っておくのが感謝日記の役目だと思っています。「ありがたい」という言葉がどうもしっくりこなければ、「よかったこと」「うれしかったこと」と読みかえても大丈夫です。
何も浮かばない日は、一日を朝からたどる
思い出そうとしても何も出てこない日は、朝から順に一日を巻き戻してみます。
- 起きたとき、天気はどうだったか
- 朝ごはんや通勤・通学の途中で、目に入ったものは
- お昼は誰と、何を食べたか
- 午後、少しでも気がゆるんだ瞬間はあったか
- 帰り道や夜に、ほっとしたことは
近所の金木犀がにおっていた。エレベーターを待ってくれた人がいた。こういうことは、たどってみて初めて出てきます。本当に何もなかった日なら、「何事もなかった一日」をそのまま一つに数えてしまえばいいのです。
名詞で終わらせず、ひとこと足す
「友だち」とだけ書くより、「先に連絡をくれた友だち」と書いたほうが、あとで読み返したときにその日の感じが戻ってきます。何が、どうだったのか。もう一言だけ付け足すのがコツです。
かといって、長く書く必要はありません。三つとも長文にしようとすると、書くこと自体が重くなります。一つにつき一行か二行あれば十分です。
一つ目:昼休みの日なた。ベンチが温まっていて、五分だけ目を閉じた。 二つ目:長電話で笑ったこと。何がそんなにおかしかったのか、もう思い出せない。 三つ目:帰り道の夕焼け。ビルのすき間から、オレンジ色が少しだけ見えた。
毎日同じものが並びはじめたら
続けていると、コーヒー、家族、干したてのふとん、と毎日似たものが並ぶ時期が来ます。それ自体は悪いことではありません。自分の暮らしを支えているものが何なのか、はっきりしてくるということでもあります。
それでも書く手ごたえがなくなってきたら、三つのうち一つだけ条件をつけてみます。今日はじめて気づいたことを入れる、人に関することを入れる、といった具合です。
自分がしたことから一つ選ぶ、というのもおすすめです。「仕事がうまくいかなかったけど、夜ごはんだけはちゃんと作って食べた」。感謝の向き先が自分でもいいと思えると、疲れた日でも書く気になれます。
書けない日、書きたくない日
気分が沈んでいる日に、無理に「ありがたいこと」を探すのはしんどいものです。そういう日は一つだけ書いて終わりにしてもいいし、何も書かずに寝てもかまいません。
感謝日記は、気持ちを明るく塗りかえるための道具というより、その日にあった小さなものを置いておく場所。それくらいに考えておくと、肩の力が抜けます。
感謝の形がどうも合わないと感じたら、一日を三つの問いでふりかえる3行日記のほうが書きやすいかもしれません。続け方そのものに悩んでいるなら、日記が続かないときの工夫も読んでみてください。
Ownmost で感謝日記を書く
Ownmost には「感謝」という書き方があり、選ぶと「ありがたかった三つのこと」の欄が三つ並びます。欄ごとに短い案内が出るので、何を書くか迷ったときの手がかりになります。書いた日はカレンダーに小さなアイコンで残るので、どのくらい続いているかもひと目でわかります。日記は端末の中だけに保存され、アカウントも要りません。インストールせずにブラウザで試してみることもできます。